2008
好きな漢字つれづれ語りの第2弾は、「巴」。
実在したかどうかも定かじゃないけど、大好きな歴史上の女性「巴御前」の「巴」です。
「巴御前」は「鞆御前」とも書くように、「ともえ」って「鞆(弓を射るときに、左腕につけた皮の肘当て)」のことなんですよね。
勇ましい巴御前に、よく似合う名前だなぁ、なんて思います。
訓読みは「ともえ」「とものえ」、音読みは「ハ」。
フランスの首都パリを漢字で書くと、「巴里」って当て字になりますもんね。
あ、ても、私はパリは「巴黎」って書くほうが好きです♪
都市の名前としては、「里」が意味的にぴったりあってるのかもしれないけど、
夜明けの意味もある「黎」ってほうが、きらめく都市の発展を思わせて、しっくりくるような気がします。
むかーし、なにかの小説を読んでいて、
「巴旦杏の形の目」というような表現にお目にかかって。
子どもの私は、「巴旦杏(はたんきょう)」ってなんぞや??と、ハテナマーク。
きれいな容貌の女性の形容だったから、
「巴旦杏」ってのは、きっとすごくウツクシイモノなんだ!という思いと、
「ハタンキョウ」という、妙に耳ざわりのいい音が印象に残りました。
ハタンキョウ。
なんだか、神秘的で、麗しい感じが漂ってきませんか?
ちょっとオリエンタルな雰囲気。
決して「破綻京」…荒れ果てた都のことじゃ、ないですよ。うふふ。(ハタンときくと、つい「破綻」に変換されます…!)
その後、また別の小説(だったと思う…)で、「巴旦杏」に「アーモンド」とルビを振っているのを見て、
「あ!巴旦杏の目って、アーモンド型の目のことかぁ」と納得☆
実際は、巴旦杏って杏(あんず)の別種みたいですね。
そして、大好きな「巴」という字は、『漢語林』の解字によると、
象形の漢字で、へびが地面をにょろにょろ這っている様子をかたどったもので、
蛇とか渦巻きの意味を表しているんだとか…。
うひょー。
ヘビ…。
嫌いじゃないけど、好きでもない…。
確かに、爬虫類の「爬」って字にも、「巴」って入ってるもんねぇ…。
いきなり生々しい印象に変わるわぁ…。
そう思ってみると、「巴」の字が、地面に悠々ととぐろを巻くヘビに見えてくるから不思議。
あと、「巴」といえば、中国四川省の重慶あたりをさす言葉。
三国志の英雄、劉備玄徳の作った国は、巴蜀にあったんですよね。
(「レッドクリフ」、まだ見に行けてない…!!)