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2025

0302
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2008

0723
山本さんの筆は、いつも温かみのある人と人とのつながりを鮮やかにやわらかに描き出します。

私はどちらかといえば、史上に名を残した人を登場人物とする小説の方が好みだったので、いわゆる江戸庶民の物語はあまり読んだことがありませんでした。
でも、山本さんの手にかかると、その人たちの素朴で実直な生き方が、すぐ隣に感じられるようで、「もっと、もと読みたいな」と自然に思わせられるのです。

長唄「辰巳八景」に題をとった、連作短編集です。
おさめられた8つの物語は、

永代橋帰帆
永代寺晩鐘
仲町の夜雨
木場の落雁
佃町の晴嵐
洲崎の秋月
やぐら下の夕照
石場の暮雪

1編目の「永代橋帰帆」から、もう「あっ!」と言わされてしまって、さすがの一力節にうなってしまいました。
大洲屋という、ろうそく問屋の4代目が主人公。
大洲屋の起こりから、代々受け継がれていた思いとその連綿とした時が、ある意味、淡々と綴られます。
そのゆるぎない大樹のような安堵を感じさせる商人と、まるで対比するかのように登場するのが、かの赤穂浪士。
両者のからめかたは、秀逸というほかなく、静かな語りととともに、ひたひたとゆるやかに情感が満ちてゆきます。

処断される赤穂浪士の、仕置き場の灯りをおおせつかった大洲屋。
子々孫々まで灯りをともし続ける大洲屋と、一瞬の光芒のように燃え盛って散ってゆく浪士たち。

その是非を論じるのではなく、あくまで強くも弱くもある一個の人間として、死に臨む大石主税(大石内蔵助の嫡男)を見つめています。

8つの物語、それぞれに惹かれるものがありますが、
やっぱり私は「永代橋帰帆」が一番好きです。

それから、この連作には、気持ちの清清しい女の子や、情にもろい男の子がたくさん登場しています。
彼らの目線は、いつもやさしく、あたたかい。
「まっすぐな人」というのは、このような人をいうのだなぁ、と思わされます。

ひとつ、気になっていること。
文庫版の解説を手がけられた縄田一男さんによると、個人的に親交の深い山本さんは、縄田さんご夫妻のなれそめを、この中の一作品のモチーフにされたそう。

一体、どの作品がソレで、実際のなれそめはどんなものだったんだろう…!!

とっても気になるんですけど、答えはわかりません…。


>nyaさん
こんばんは。コメント、ありがとうございます!
やっぱり、浮かれてもいいですよね。
今シーズンは、それくらいの快進撃ですものね♪
これからは、マジックの数字に、一喜一憂してしまいそうです。
このまま、快進撃の続くことを祈って!!
応援しましょう♪

…と思ったら、今期初の対巨人負け越し…。くぅ!
完封負けを喫してしまいました…長いペナントレース、こんなこともありますよね!(と、励ましてみる)
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