2009
夕飯のお買い物にいった大型スーパーでのこと。
バレンタインチョコの特設売り場。
その傍を通りかかったときに、ふと目についたおチビちゃん。
なにやらニコニコと笑顔を振りまきながら、トコトコとおぼつかない足取りで、ひとりであっちこっちを歩き回っている男の子。
別に悪戯してるわけじゃないし、近くでお母さんが見てるのかなぁ…なんて思いつつ、一度は通り過ぎたんですけど。
なにやら心配になって、引き返してしまいました。
おチビちゃんは、相変わらず、愛嬌をふりまき、フラフラフラ。
彼に「お母さんとはぐれちゃった」的な不安は微塵も感じないのですが、どうみても、近くにお母さんらしき人、保護者らしき人は見当たりません。
ここでおチビちゃんに親しげに話しかけたら、怪しい人かな~~とビクビクしながら、
ちょっと声をかけてみました。
「ねぇ、ひとり?ママは?パパは?一緒にいないの?」
そうしたら、嬉しそうにチビちゃんは私を手招き。
「あら、やっぱり親と一緒なのかしらん」と思って、彼の招く方をみれば、そこには色とりどりのチョコレート。
どうやら、チビちゃんでもれっきとした男の子!
チョコレートが欲しいらしいです。
ではなく!
鮮やかなチョコレートや特設コーナーのデコレーションの数々(風船とか風船とか風船とか)が気になって仕方ない様子。
しきりに私の手をひいて風船のところに連れていこうとしてくれます。
(これは、やっぱり迷子!?)
と思いつつ、再度、「ねぇ、ママは?誰かと一緒にきたんじゃないの?」と尋ねるも、彼は変わらずニコーッと笑うのみ。
ああっ、かわいい!
この子、こんなに愛想良くて、人見知りしなくて、笑顔いっぱいでいたら、攫われちゃうよ!!
と本気で心配しましたとも…。
これはほっといたら、いつまでもチョコレート売り場でウロウロしてそう、と思った私。
チビちゃんを抱き上げて、一緒にスーパーのインフォメーションコーナーにでも行こうかとしたところ!!
「こんなところにいたの!!」
と焦った声をあげながら、向こうから駆けてくる、お母さんらしき女性。
わっ…私、誘拐犯じゃないからね!
抱き上げて攫おうとしたわけじゃないからね!
と、不審者のようにオロオロ、ドギマギしてしまう私。
「すみませんっ、ちょっと目を離したらいなくなって…!」
チビちゃんを抱っこして、しきりに私にいうお母さん。
…よ、よかった。
疑われなくて…!!
ちゃんとママに会えてよかったねぇ~。
でも、君の将来が、ちょっと心配です…。
あの天真爛漫な笑顔。
女の子を誤解させるには十分な魅力でしたとも…!